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情報系学生が目指す国家公務員総合職#2(試験概要編)

はじめに

前回、国家公務員総合職を目指す上での全体の流れを紹介しました。説明会やら何やらは省庁ごとに違いますし、毎年の採用担当者によっても異なる場合がありますので、あまり詳しく説明しても仕方ありません。もし何か特筆すべきことがあれば、官庁訪問編で分かる範囲でちらっと書こうかと思います。というわけで、今回からは記事をいくつかに分けて、これを受けないと何も始まらない、国家公務員総合職(国総)試験について解説していけたらと思います。

なお、タイトルにもあるように「情報系学生が目指す」という設定で話を進めますので、「大卒程度試験(工学区分)」「院卒者試験(工学区分)」を受けるという前提とします。僕自身、受験したのは工学区分なので、それ以外のことは分かりません。情報系の中でも「俺は数理系なんだよ!」という人、数理科学・物理・地球科学(数・物・地)区分を受けることになると思いますが、カバーできません。ごめんなさい。

ちなみに、試験区分は以下のようになっています。この他に、実施時期が異なる試験として「院卒者試験(法務区分)」「大卒程度試験(教養区分)」があります。

  • 大卒程度試験
    • 政治・国際
    • 法律
    • 経済
    • 人間科学
    • 工学
    • 数理科学・物理・地球科学
    • 化学・生物・薬学
    • 農業科学・水産
    • 農業農村工学
    • 森林・自然環境
  • 院卒者試験
    • 行政
    • 人間科学
    • 工学
    • 数理科学・物理・地球科学
    • 化学・生物・薬学
    • 農業科学・水産
    • 農業農村工学
    • 森林・自然環境

なお、試験情報については正確性を保証しませんので、必ず大本営からの情報を確認するようにしてください。国家公務員試験採用情報NAVIのこのページ以下が国総の情報です。日時や合格者数、平均点、採点方法など全て掲載されています。この記事でも重要な部分だけ扱おうとは思いますが…。

試験の流れ

試験内容は次のような構成になっています。実際に試験を受ける順番に列挙します。

  • 大卒程度試験
    • 1次試験
      • 専門試験(多肢選択式)
      • 基礎能力試験(多肢選択式)
    • 2次試験
      • 専門試験(記述式)
      • 政策論文試験(記述式)
      • 人物試験
  • 院卒者試験
    • 1次試験
      • 専門試験(多肢選択式)
      • 基礎能力試験(多肢選択式)
    • 2次試験
      • 専門試験(記述式)
      • 人物試験
      • 政策課題討議試験

詳しくは後々の記事で説明しますが、大卒と院卒での違いは、基礎能力試験の問題数と、政策論文か政策課題討議かの2点に尽きます。それ以外は全く同じと考えて差し支えありません。

前回の記事でもおおよその試験の時期については示しましたが、ここで改めて。

僕が合格した平成28年度の院卒者試験の日程は次のようでした。

申し込み: 2016/4/1(金) 9:00 ~ 2016/4/11(月)受信有効
1次試験: 2016/5/22(日) 9:00 ~ 17:00
1次試験合格者発表: 2016/6/7(火) 9:00 ~ 2016/6/13(月) 17:00
2次試験(筆記): 2016/6/19(日) 8:50 ~ 13:20
2次試験(人物・政策課題討議): 2016/7/11(月) ~ 2016/7/15(金)のうち指定する日時
最終合格者発表: 2016/7/29(金) 9:00 ~ 2016/8/4(木) 17:00

また、僕が初めて受験し、不合格だった(この経緯は後々書こうと思いますw)平成27年度の大卒程度試験の日程は次のようでした。

申し込み: 2015/4/1(水) 9:00 ~ 2015/4/8(水)受信有効
1次試験: 2015/5/24(日) 9:00 ~ 17:00
1次試験合格者発表: 2015/6/9(火) 9:00 ~ 2015/6/15(月) 17:00
2次試験(筆記): 2015/6/28(日) 8:50 ~ 17:20
2次試験(人物): 2015/7/2(木) ~ 2015/7/17(金)のうち指定する日時
最終合格者発表: 2015/7/31(金) 9:00 ~ 2015/8/6(木) 17:00

これで大体の感覚は掴めると思います。来年度(平成29年度)は、これらより時期が1ヶ月ほど早まる予定です(3/29追記: 正確な日付に更新しました)

申し込み: 2017/3/31(金) 9:00 ~ 2015/4/10(月)受信有効
1次試験: 2017/4/30(日)
2次試験(筆記): 2017/5/28(日)
2次試験(人物): 2017/5/30(火) ~ 2017/6/16(金)のうち指定する日時
2次試験(人物・政策課題討議): 2017/6/9(金) ~ 2017/6/16(金)のうち指定する日時
最終合格者発表: 2017/6/30(金)

もっと他の年度も知りたい方は、「平成XX年度 国家公務員総合職試験」とかでググれば過去の人事院の報道資料が引っかかりますよ。

配点・採点方法

基本的に、人事院の公表している合格者の決定方法(院卒者)(大卒程度)によります。なんだかよく分からないことをしていそうですが、平均点・標準偏差を用いて難易度差が影響しにくいように調整をかけています。

1次試験では、マークシート方式の問題の正解数がそのまま素点になります。自己採点で簡易的に「専門*1.5 + 基礎能力」(某巨大掲示板より)という式を使うことがありますが、調整が働くためボーダーすれすれの場合には機能しない可能性があります。ちなみに、この式で計算した場合、大卒程度試験での1次試験通過ボーダーは、最もメジャーな法律区分で60点前後(素点単純合計で40点台後半)、工学区分で40点台前半(同35点前後)になります。この点数から、工学区分が法律区分より難易度が低いということが分かります。

2次試験の専門試験は記述式なので、別に配点が定められています。合格点及び平均点等一覧の「3 参考」でまとめられています(これは院卒者試験のリンクですが、大卒程度試験の政治・国際、法律、経済区分の満点も200点です)。工学区分の素点の計算方法が一見よく分からないと思いますが、「科目1又は科目2」とは建築・都市設計の問題であり、1題しか選択できません。この1題を30点満点とし、さらに8倍して素点を240点満点としています。一方、それ以外の問題を解く場合は2題選択可能で、1題200点満点です。これを2題解くと400点満点となり、さらに3/5倍して素点を240点満点に揃えています。1次試験の出来にもよりますが、半分も取れなくても十分受かります。

2次試験の政策論文は10点満点です。基準点は4点です。あまり対策のしようはないと思いますが、ちゃんとした日本語を書けば足切りには掛からないはずです。また、人物試験、政策課題討議試験はA~Dの評価それぞれに得点が定められており、付いた評価に応じた点数が加算されます。ほとんどの人はC評価になります。

最後に、英語試験のスコアの提出があった場合、以上までの得点合計に提出されたスコアに応じて定められた点数(15点 or 25点)が加算されます。ごく僅かな加算ですし、最悪なくても十分受かる点数は取れると思いますが、出すに越したことはないでしょう。

国家公務員採用試験得点計算室で、色々なパターンでシミュレーションしてみるとよいかと思います。

いざ申し込み

国家公務員採用試験インターネット申込みから、申し込み期間内に、手順に従って事前登録、申し込みと進みましょう。まさか忘れる方はいないと思いますが、IDとパスワードの管理をしっかりと。アカウントは1次試験受験票のダウンロードや試験の成績開示に使用します。

必要事項を記入していくだけの簡単なお仕事ですが、引っかかることがあるとすればパソコンの利用環境についてでしょうか。エラーチェックが働くのでちゃんとした環境でないと使えません。WindowsFirefoxがサポートされているだけまだマシですが、Chromeを使っていると思わずXXXX!と叫びたくなってしまいますね。MacSafariを使えばよいので大丈夫ですが、Windowsを消し飛ばしてLinuxFreeBSDだけで生きている方は気をつけてください。

余談ですが、経産省が頑張って作ったRESAS(地域経済分析システム)は逆にChromeでしか動きません。

まとめ

予想外に概要のみで書きすぎたので、ここで一旦切ります。次回は、1次試験について解説したいと思います。

試験にいくつも段階があり、色々とこねくり回して評価することはわかったとは思います。それぞれどの程度を目標に、どう対策すればよいかについて、重点を置けたらと考えています。