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Huawei Mate 9 1ヶ月使用レビュー

久々の投稿です。途中になっている連載も直に再開します。

機会があって、Huaweiの最新型スマートフォンMate 9を約1ヶ月間お借りして使うことができました。Mate 9は昨年12月に発売され、最近では楽天モバイルで音声SIMセットで安売りされたり、新色ブラックが追加されたりと話題の機種です。 基本的な情報はHuaweiの公式サイトを参照してください。端末細部の観察などは某プレスや某Tmediaあたりの記事、開封の儀を執り行ったブログ記事などに詳しいでしょうから、今回は実際に使用して気づいたことをメインに記述していこうと思います。

なお、この記事はどこからも金が出ていないただの自己満足のメモ帳ですのでご承知おきください。

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端末情報

  • 型番: MHA-L29(国内版)
  • 色: ムーンライトシルバー

使用状況

ファーストインプレッション

  • デカい。こんなの飽きて使わなくなるだろ。家に放置してあるNexus 7みたいに。

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Xperia Z5, iPhone SEと並べてみたところ。画面の下端を合わせています。

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100均でよく売っているプラスチック製スタンドには何とか乗りますが、重いのでよくたわみます。

2013年に発売日購入したNexus 7LTE版。当初は便利に使っていましたが、スマホの方のスペックが上がるにつれて面倒になって使わなくなってきてしまいました。何より一番問題なのがデカすぎて取り回しが悪いこと。無理矢理でもズボンのポケットに入れて運ぶのは辛いです。Androidのアップデートが6.0まであり、癖のないPure Androidとはいえ、この時代にSnapdragon S4 Proはあまりにも型落ち。おまけに発売当初から言われたタッチパネル問題があり有効に使えなかったことや、LTEの対応バンドが少ないことなどもあり、スマホに一本化してしまいました。今では「海外に持っていって最悪盗まれても問題ない端末」として放置するに至ります。

6インチ級のスマホということで言えば、AndroidならヨドバシカメラNexus 6の展示品を見たことはありました。当時の印象としては「大きくて画面に表示できる情報量も多く、タブレットはいらなくなりそう」「でもデカすぎて今の自分にはいらない」という感じだったと記憶しています。また、iPhoneの5.5インチモデルの展示品も暇潰しに見ることが何度かありましたが、画面外にホームボタンがあることも相まって手に余るような印象を受けました。

そんなわけで、約1ヶ月という比較的長期間にわたって使ったとして、そんなにバリバリ活用することはないだろうと踏んでいました。Huawei端末なので本国に情報が送られてるかもしれませんし。冗談です。(盗られて困る機密情報なんて)ないです。

約1ヶ月使ってみて

  • 想像以上にいい。Xperiaが死んだらHuaweiでもいいや。
  • デカいスマホはいい。大きさはこのくらいなら使えば慣れる。

Mate 9自体非常に使い心地の良い端末で、多少の粗があるとはいえここまで好印象を持つとは予想もしていませんでした。正直自分のお金で買っても満足するレベルだと思います。ただ、満足したポイントは「Mate 9が良い」というより「Huaweiが良い」+「大きなスマホが良い」と言った方が近いものに思えました。例えば(今後日本で発売されるとして)Huawei P10 + iPhone 7s Plus(仮)の組合せなら、この要求を満たせるのではないかと感じています。ただ、P10の性能はMate 9より低いらしいんですよね…。

さて、Mate 9のどこが良くてどこが悪いか、詳しく紹介していきます。

詳細なレビュー

持ってて損はないライカ監修カメラ

他社にはない独特の絵作り

カラーセンサーとモノクロセンサーを備えたライカカメラ。好みは分かれるようですが、他社とは一線を画する絵作りです。総評すると「見たままの姿を余計なことをせずに明瞭に写してくれる」感じでしょうか。いくつか作例は載せますが、暗くなりがちな被写体では特に威力を発揮していると思います。逆に、植物の緑などは鮮やかさが少し足りないかなという印象を受けました。そこらで見かけるカメラレビューではどちらかと言うとカメラマンに受けるプロモードが好評のように見えますが、オートでも十分持ち味が出ています。

以下、作例の紹介です。一部では比較用にXperiaiPhoneで同じ被写体を撮影したものも載せています。撮影モードは全てオートです。

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Mate 9 (f/2.2, 1/1321, 3.95mm, ISO 50)

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Xperia Z5 (f/2, 1/2000, 4.23mm, ISO 40)

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iPhone SE (f/2.2, 1/2481, 4.15mm, ISO 25)

松本城。光量があるのでいずれもそれなりに撮れており、好みの問題になりそうです。青空の発色ではiPhoneが際立っているように見えます。Xperiaは広角で風景には強いですね。

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Mate 9 (f/2.2, 1/748, 3.95mm, ISO 50)

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Xperia Z5 (f/2, 1/500, 4.23mm, ISO 40)

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iPhone SE (f/2.2, 1/836, 4.15mm, ISO 25)

東福寺境内。2階部分を見ると、Mate 9では歴史的建造物のディテールが暗くならずに表現できていることがわかると思います。それに対して、他の2台では側に生えている木の緑が濃く表現できています。Xperiaは曇り空が飛びすぎています。

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Mate 9 (f/2.2, 1/459, 3.95mm, ISO 50)

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Xperia Z5 (f/2, 1/800, 4.23mm, ISO 40)

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iPhone SE (f/2.2, 1/674, 4.15mm, ISO 25)

同じく東福寺境内。鮮やかな赤い建物なので、iPhoneが最も得意とする被写体となっています。Mate 9, Xperiaともに日の当たっている部分が白くなっています。

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Mate 9 (f/2.2, 1/60, 3.95mm, ISO 80)

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Xperia Z5 (f/2, 1/64, 4.23mm, ISO 40)

リニア・鉄道館内。iPhoneの作例はありません。暗くなりがちな室内でも、Mate 9は明るく撮れています。人の顔の部分は加工しています。

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Mate 9 (f/2.2, 1/952, 3.95 mm, ISO 50)

仁和寺で補修作業中の建物。逆光になっていますが、意外によく撮れています。

ワイドアパーチャー(背景ぼかし)やモノクロも楽しい

ワイドアパーチャーは、その名の通り絞り値を変える機能です。これで何ができるかというと、一眼レフみたいな背景をぼかした写真が撮影できます。ちょうどいいぼかし具合にするには慣れが必要ですが、楽しいですよ。ただ、安易に使いすぎると飽きるので濫用は禁物。旅行で撮影した石山寺の梅の花の作例を載せておきます。

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また、モノクロセンサーを生かしてか直接モノクロで撮影することも可能であり、ものによっては結構な味が出る写真になります。作例は長野電鉄善光寺下駅で撮ったもの。車両が旧営団3000系なこともあり、昭和の地下鉄を思わせます。

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カメラの起動はややしづらいが、ロック状態からの機能アクセスは豊富

カメラキーは付いていません。そのため、ロック画面からスワイプするか、ロック解除してカメラアプリを起動するか、ボリュームキーの連打でカメラを起動しなければなりません。今回、ボリュームキー連打でのカメラ起動を設定していましたが、寒くて手が思うように動かない時などはうまくいかないことが多かったです。Xperiaのカメラキーの有り難みがよくわかりました。

一方、Xperiaにはできないこととして、ロック状態のままカメラを起動しても、多彩な撮影モードや設定が可能なことがありました。Xperiaの場合、プレミアムおまかせオート以外の設定にするだけでもロック解除をしなければならず、大きな手間です(しかもその間にもたつく)。iPhoneですら撮影モードの変更くらいはできるので、カメラを売りにしたいならソニーは改善した方がいいのでは?と思いました。

高精度の指紋認証

背面カメラ下に装備されている指紋センサーは精度が高く、スリープしていても指を当てるだけでロック解除ができます。背面という位置は人によって相性があるかもしれませんが、センサー自体は中々の優れものです。センサーエリアが細長いために誤認識が多く、湿った手では確実に認証が通らないXperiaの指紋センサーとは段違いだったと思います(XZだと改善しているんでしょうかね?)。

今回は機能をオフにしてしまいましたが、指紋センサーを使って画面のスクロールなどを行える設定も可能です。

デフォルト設定でサクサク・長持ちバッテリー、充電も超高速

最新SoCのKirin 960を搭載し、メモリも4GBあるだけあって、動作に関しては全く問題ありませんでした。また、独自のチューニングのおかげか、スリープ時のバッテリー消費もほとんどありませんでした(一部で言われているカレンダーの暴走には幸いにも遭遇しませんでした)。旅行中にはカメラやブラウジングなどで酷使しましたが、最長で24時間弱は充電無しで耐えました(この時Xperiaの電池もギリギリでしたが…)。付属の充電器は独自の超急速充電SuperChargeに対応しており、帰宅後にあっという間に充電されていきます。少なくとも、Snapdragon 810搭載で、Greenifyを入れないと電池が持たず、さらにスリープ復帰時にもたつきやすいXperiaよりは圧倒的に快適でした。

Huawei独自のEMUIはちょっとお節介、少し慣れが必要かも

設定階層がわかりにくい

素のAndroidに比べると設定画面がかなりカスタマイズされています。そのため、目当ての設定項目を探すのに若干戸惑うかもしれません。例えば、画像に載せていますが、普通なら下の方にあるはずの「言語と入力」「位置情報」「セキュリティ」「印刷」「バックアップとリセット」などの項目が見当たらない!そう思って詳細設定を見ると…ありました!まあこの辺りを利用する頻度は少ないと思うので日常的には支障はないと思いますが、設定漏れに気をつけたいですね。他にも、通常なら「電池(バッテリー)」から行ける電池の最適化を行うアプリ設定も、やり方がわからずじまいでした。

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通知アイコンと背景が同化してしまう

配色(テーマ)設定のあるアプリで白系のテーマを設定すると、ステータスバーで白い通知アイコンと白い背景が同化して見えなくなってしまうことがあります。僕はJustawayで気づきましたが、この他にも2chMateの昼テーマなどで発生するようです(灰テーマを常用しているので気づきませんでした)。

電池消費の通知が多い

何かのアプリを終了させてから暫く操作していると「(アプリ名)は電池を消費しています」という通知が出て、無視するかアプリを終了するかの選択を求められます。ここで無視したり、横スワイプで通知を消したりしたとしても、時間が経つとまた通知が出ます。タスク履歴に残っているだけでも、なぜここまでしつこく聞いてくるんだろう…と思いますが、通知をオフにするなどの解決方法はありません(見つけられませんでした)。現状では構ってあげるしかなさそうです。

付属ケースと画面保護フィルムはつなぎ程度に

付属品には専用ケースが含まれており、また画面には初めからPET製の保護フィルムが貼ってあります。ケース下部にうっすらと"Designed by Huawei"なんてカッコつけて彫ってありますが、所詮はおまけです。端末を保護する範囲も狭く、側面は四隅を除けば剥き出しです。また、1ヶ月使っただけで下の画像のように傷がついてしまいます。保護フィルムも材質でお察しかと思いますがすぐに傷がつきます。というわけで、いいケースやフィルムが見つからないという時のためのつなぎとして使うのが最適かと思います。

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ケースを外せば、本体はこの通り綺麗です(MEID, IMEIが記載されたシールを貼った部分は加工してあります)。

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解像度をうまく設定すればブラウジングは快適

5.9インチの大画面にもかかわらず、初期状態のUIサイズはスマホ向けに設定されており、らくらくホンか?というほど文字が大きすぎます。ごく普通の視力をお持ちの人は解像度設定を変えた方が有効に活用できるでしょう(表示崩れが起こる可能性があるので注意)。設定画面の「画面」→「表示モード」から大中小の3段階で設定できますが、Android 7.0から利用できる「開発者オプション」→「最小幅」で直接数字で指定することも可能です。デフォルトでは360dpという値になっており、今回は5.2インチのXperiaに近い感覚で使うため、360[dp] * (5.9[inch] / 5.2[inch]) ≈ 408[dp]にしました。「画面」→「表示モード」から設定した場合の最小幅は、確認すると以下の通りになっていました。

表示モード 最小幅
360dp
392dp
432dp

大画面のリズムゲームはやりやすい、ただし若干難あり

プレイしやすい画面サイズ

基本的に下手な人間ですが、5.2インチのXperiaの画面でせせこましくやるよりよっぽどやりやすいように思います。指の移動量(特にフリックやスライド操作)が大きくなることを懸念していましたが、それよりも指同士の間隔が適切に保たれること(ぶつかりにくくなります。アケフェス譜面の同時押しでも効きます)、視認性が良くなることが大きかったと感じました。

デレステがシャギる

散々言われていることなので画像も貼りません。MVの画質を求めるなら素直にSnapdragon搭載機でプレイしてくださいとしか言いようがありません。画質を我慢して2D軽量設定でプレイする分には処理落ちなしで快適です。アップデートで改善したかどうかは情報が少ないのでわかりません。

極端に密度の低い譜面で反応しないことがある

ただ、1プレイ100ノーツ前後の低密度譜面や、アウトロで不意打ちを入れてくるような譜面だと反応が遅れたり、反応しなかったりすることがあります(前者はほぼ確実に再現します)。全難易度をフルコン埋めしないと気が済まない人にはお薦めできません。

検証不足の問題点

通知が件数しか出ない(2017/3/14のアップデートで改善されたらしい)

欧州版ROMでは割と前から通知のアイコン表示に対応していたようですが、日本版は3月になって漸くでした(というか何でわざわざ件数しか表示できないようにカスタマイズしようと思ったのか…)。順次配信ということですが、残念ながら返却までに間に合わず体験できませんでした。というわけで検証不足としていますが、今後利用する人は問題ないと思います。

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アップデート後は「アイコン」が加わります。

ロケーション履歴が記録されない?

2chのMate 9スレを見ているとGoogleロケーション履歴が記録されないというレスがいくつかありました。対策をすれば動くらしいです。今回は余計な電池消費を避けるためにXperiaだけでロケーション履歴を使用していたため、未検証となっています。Googleフォトを確認したところでは推定位置情報は付加されていました(最低1台がオンになっていればいいのでしょうかね)。

Bluetoothが勝手にオフになる?接続が切れる?

機器接続には使用しなかったのでわかりませんが、Bluetooth周りは弱いようです。Android 6.0以降で見られる不具合として「Bluetoothが勝手にオフになる、オンにしようとするとフリーズする」というのがありますが、それに加えてワイヤレスイヤホンの使用時に音が途切れる問題があるようです。音楽用には向かないかもしれませんね(aptXも非対応ですし)。

まとめ

はじめに「多少の粗がある」と言いましたが、そのほとんどはHuawei独自のものに起因する事象です。これらにうまく慣れていけば、あるいは力不足の部分を他の端末で補うことができれば、Mate 9は大変良い端末であると思います。

何より、Huaweiに対するアレルギーを払拭できたことと大型スマホに慣れることができたことは今回の大きな収穫だったと思います。というわけで、あとはおサイフケータイ対応さえすれば(少なくともロードマップには入っているようなので)、Xperiaから移ることも視野に入れます。XZまでは欲しいと思いますけどね。